本記事では手術室への転職を考える看護師がブラック病院・手術室を見分けられるようになるよう解説していきます。
ブラックな手術室ってどんなところ?
転職で失敗したくないけど何を基準に選べばいいのか分からない・・
実際に私が手術室から手術室へ転職して気づいたことや周りの転職者からの意見を調査しまとめました。
アフィリエイトリンク
転職するときに確認するべきポイント
オペナースが手術室へ転職を考えるときに確認するべきポイントを知っていることでブラックな病院・手術室を見分けることができます。
ただし、これから紹介するポイントはあくまでも働きやすいかどうかを考えるための要素なので、すべての要素を満たしていてもブラックに感じることもあると承知しておいてくださいね。
以下の7つのポイントを確認すれば手術室へ転職を考えるときにブラックな病院・手術室を見分けるのに役立つでしょう
①手術室でも電子カルテを利用しているかどうか
②手術枠があり各診療科ごとで枠を守られているかどうか
③手術室に外部委託業者がどのくらい関わっているか
④器械展開はいつ・どこで行っているか
⑤廊下や器材室が整理されているかどうか
⑥トイレの数は多いか
⑦職員が利用できる自動販売機が近くにあるか
⑧各部屋単位で整理整頓がされているかどうか
⑨基本的に各部屋の配置が同じであるかどうか
⑩1症例ごとの人数配置はどうなっているか
なぜこれらのポイントがブラックな病院・手術室を見分けるのに役立つのか確認してみましょう。
ポイント①:手術室でも電子カルテを利用しているかどうか
ブラックな病院・手術室を見分けるために電子カルテを確認する理由は、術中記録にかかる時間と労力が分かるからです。
看護師の業務が多くなる原因の1つに記録があります。
手書きの術中記録やパス化されていない電子カルテの術中記録ではパソコンに向かう時間が長くなり、結果的に患者さんをみる時間が減ってしまいます。
1日に何症例も担当している場合は日勤帯が終わった後に記録を整理する残業が必要になることもあります。
術中記録が簡易的であれば手術の進行状況や患者の変化に合わせた外回り看護ができるね!
手術看護に適した術中看護記録では以下の要素が考えられます。
・電子カルテのアプリの中に手術用の記録媒体が入っている ・麻酔モニター・麻酔記録と術中看護記録が連動している ・パスが適用されている
記録にかかる時間と労力が少なそうですね。
その結果、患者をみる時間が増え、残業も少なくなることでしょう。
私の経験談としては、「手術室で電子カルテあり」とのことでしたが麻酔モニター・麻酔記録と術中看護記録が連動しておらず、何故かバイタルサインや麻酔記録を術中看護記録に重複して入力する必要がある病院に入職してしまいました。
結果的に紙カルテよりはマシな程度でありスタッフは記録にいつも悩んでいました。
電子カルテの導入や仕様変更には莫大な費用と他のスタッフの負担が考慮されます。
病院側が必要と考えれば改善されることもあるでしょうが、いち手術室看護師の意見だけではまず意見が通らないでしょう。
最初から電子カルテが整っている病院を選ぶことが重要です。
ポイント②:手術枠があり各診療科ごとで枠を守られているかどうか
ブラックな病院・手術室では手術枠がない、もしくは守られていないため残業が多くなる傾向にあります。
日勤なのに交代が来ない、夜勤なのに予定手術を入室から担当するという状況になりやすくなるためです。
手術枠を無視した手術オーダーは日勤帯・残業当番・オンコール・夜勤などの配置が実際には不透明になり、看護師が疲弊する原因になります。
手術枠が守られていることで手術室看護師の業務バランスが整いやすくなります。
手術枠が守られているかどうかでは、入退室時間を含め一日の手術枠に手術オーダーが収まっていることを確認しましょう。
こちらも「手術枠がある」という言葉に騙されないように注意です。
麻酔方法や手術体位、病院のルールにもよりますが以下を参考にしてみてください。
1症例:入室~手術開始(1h)+手術終了~退室(1h)+手術時間(6時間以内)
2症例以上:入室~手術開始(1h)+手術終了~退室(1h)+手術時間に症例件数をかけて8時間以内
※30分の手術であれば3件(1症例:2h30m)で7時間30分ほど
以上のことから、手術枠が守られていることは看護師の負担を考えるうえで重要です。
手術枠に関しても病院のルールですので改善されることを望むよりも、最初からそんなブラックな病院・手術室には入職しない方が良いです。
ポイント③:手術室に外部委託業者がどのくらい関わっているか
手術室には多くの外部委託業者がかかわっておりスタッフの業務改善に役立っています。
例えば以下のような業務は外部に委託できる場合があります。
・器械の洗浄、滅菌、整理整頓 ・手術器械、資材の手集め ・ベッドや機械(電気メス本体など)の準備 ・手術室内の清掃 ・体位固定物品などの整理整頓 ・不要物品の整理整頓 ・資材の在庫管理
看護師を手術に配置するので手一杯でも、これらの業務が業者に委託できればかなりの負担軽減になりますね。
日勤が終わっても明日の手術の準備が待ってると思うと憂鬱になります。大きな手術では物集めだけでも大変です。
また看護師サイドで資材の管理をするのも限界があるので業者に委託したいですね。
また業務内容によってはむしろ看護師よりがやるよりも質が高いこともあります。
まず、清掃の専門的な業者は手術室の設備や環境を適切に維持し、清潔さを保つことができますね。
また、卸売の外部業者は手術室の機器や消耗品の管理を専門に取り扱っているため、手術に必要な物品の正確な供給がされることで手術延期や中断などの問題を軽減します。
結果的に外部の専門業者が手術室に介入することは、患者さんの安全性向上、適切な物品管理に貢献し、手術室運営の効率性を高めます。
ポイント④:手術準備はいつ・どこで行っているか
ブラックな病院・手術室では一日の手術件数と看護師の人数が合っていないため、手術準備に余裕がないことがあります。
状況にもよりますが、朝一症例の担当は担当症例分の部屋準備(機械やベッド、必要な薬剤・モニター類の準備など)と器械展開に全力をそそげる環境が望ましいでしょう。
朝から急いでTURis症例を4件準備しているとスコープを1つの台に2つ置いてしまうなんてことを経験したことがあります。
ロボット手術など物品準備が多いものでは、そもそも出し忘れてしまうこともあり医師から怒られることも・・・・
物品の過不足がないことは医師・看護師のストレス軽減にも役立つでしょう。
病院によって器械展開のタイミングは様々です。
・患者入室前までに行う ・夜勤帯などであらかじめ展開しておく ・患者入室後、執刀までの間に行う
ポイント⑤:廊下や器材室が整理されているかどうか
手術室の廊下や器材室が整理されていてることは、日常での患者さんの入退室だけではなく災害発生時にも重要になってきます。
緊急手術を多くとっている病院でも手術室内の動線はしっかり確保されている必要があります。
整理された広い廊下では患者搬送時にベッドをぶつけることもないでしょう。
ベッドがギリギリ1台しか通れないようになってしまっている廊下は本当に危険!思い切り器械にベッドをぶつけて壊してしまうこともあるかも・・・
現代の手術では内視鏡や様々なデバイス、ロボットなどとにかく機械がたくさんあり、管理するためのスペースを確保するのも一苦労です。
- 感染症リスクの低減: 整備された動線には、感染症のリスクを軽減するための設計要素が含まれます。手術室の入口や出口には適切な洗浄手順があり、清潔な環境を維持するための措置が施されます。
- 緊急事態への対応: 整備された動線は緊急時にも役立ちます。例えば、手術室内での急変時に、患者を迅速に移送し、医療スタッフが必要な応急処置を行えるようにします。
- 患者と家族の快適さ: 患者とその家族が手術室周辺で過ごす時間も考慮された動線設計は、ストレスを軽減し、安心感を提供します。待機エリアや情報提供ポイントが適切に配置され、患者体験を向上させます。
総括すると、整備された動線は手術室での医療ケアの質と効率性を向上させ、患者と医療スタッフの安全性を確保し、感染症リスクを低減させ、緊急事態に備える重要な要素です。
コメント