夜勤明けに眠れないのは「自分の努力不足」じゃない
夜勤が終わって、やっと家に帰ってきたのに——
「全然眠くならない」「寝ても途中で何度も起きる」
そんな経験、ありませんか?
私も新人の頃は「寝なきゃ」と焦るほど、逆に眠れなくなっていました。
同僚と話していても「夜勤明けに3時間しか寝られないのが普通」「薬を使わないと眠れない」という声が多くて、正直ちょっと不安になった時期もあります。
でも、あることに気づきました。
**眠れないのは「体が夜勤モードのままだから」**なんです。
つまり、眠る準備ができていない状態で布団に入っても、体のスイッチは“交感神経ON”のまま。心臓も腸も脳も働き続けているので、眠れるはずがないんです。
夜勤明けにぐっすり眠るためには、「体をオフモードに切り替えるルーティン」が必要になります。
夜勤明けに眠れないのはなぜ?
● 自律神経が夜勤モードのまま
夜勤中は交感神経が優位。緊張状態・集中状態が続くため、家に帰っても体は“戦闘モード”が継続中。
● 体温リズムのズレ
人間の体は「深部体温が下がるタイミング」で眠くなります。
夜勤明けは体温リズムが昼に向かって上昇し始める時間帯なので、自然と「起きるモード」になってしまうのです。
● 光の刺激
病院の白色蛍光灯や外の太陽光を浴びることで、脳は「活動開始」と判断してしまいます。帰宅途中にコンビニへ寄るだけでも、光の刺激で覚醒してしまうことも。
オペ室ナースが実践する「眠気スイッチONルーティン」
夜勤明けこそ「寝る準備」が重要です。ここでは私が続けている方法を紹介します。
✅ 帰宅して最初にやること
- 遮光カーテンを閉める →光を遮断し、体に「今は夜だよ」と知らせる
- ぬるめのシャワーで体をリセット →交感神経を落ち着かせ、副交感神経に切り替える
- 常温の水を一杯飲む →体内の血流を整える(冷たい水は刺激になるので避ける)
✅ 寝る前に“やってはいけないこと”
- スマホを見ながら布団に入る
- カフェインを摂る(夜勤明け直後は抜けきっていません)
- いきなり寝ようとする(体が覚醒しているまま布団に入ると逆効果)
✅ 寝る前の“5分スイッチ法”
- 深呼吸をゆっくり3回
- 目を閉じて「体が沈んでいく感覚」を意識
- できればラベンダー系のアロマを一滴たらす(副交感神経のスイッチを入れる)
これをやるようになってから、「寝ようと思っても寝られない」という状態が激減しました。
睡眠の質を上げる+回復スピードを早める習慣
● 仮眠と本睡眠の違いを理解する
夜勤明けは「長く寝る」ことより、「深く眠る」ことが大事。
5時間浅い睡眠より、3時間しっかり熟睡できたほうが体の回復が早くなります。
● 夜勤明けは“空腹時間”を少し作る
胃に食べ物が残っていると、体は「消化モード」になって眠りが浅くなります。
帰宅してすぐ食べるより、「水→シャワー→仮眠してから食事」の順番の方が眠りが深くなります。
● 腸と自律神経は連動している
腸内環境が整うと、副交感神経が優位になりやすくなります。
夜勤明けにヨーグルトや味噌汁など“腸を休める食事”を摂ると、眠りの質が上がります。
まとめ:睡眠が整うと夜勤がラクになる
夜勤明けに眠れないのは「体が眠る準備をしていないだけ」。
だからこそ、食事・光・呼吸・体温を味方につけることで、睡眠の質は大きく変わります。
「夜勤だから眠れない」のではなく、
「眠れる体を作るスイッチの入れ方を知らないだけ」。
次の夜勤明けから、ぜひ5分だけ自分の体を“睡眠モード”に切り替えるルーティンを取り入れてみてください。
きっと翌日の体が軽く感じるはずです。
