みなさんどうも、Nプロです。
今回はビジネスマンには欠かせないという名著であるロバート・B・チャルディーニ著「影響力の武器」を読んでいき学んだことをまとめたいと思います。
あれ?Nプロさんで看護師じゃなかったっけ?と思われた方、ありがとうございます。
まだまだブログ始めて間もない私を知っていてくれているだけで感謝です。
確かに看護師は営業とかしないし、モノを売るわけでも、サービスを提供してそれによって報酬を得ている仕事ともちょっと違います。
しかし私は思うのです。
看護師も組織に所属する1人の社会人である、と。
なので「影響力の武器」を読んで少しでも日々の生活に生かせないかと思いました。
まだ読み途中ですが、今回は本書にある「返報性のルール」についてまとめました。
返報性のルールを理解してもらって読者様が不利な状況になることを防止する手助けになれればと思います。
1:返報性のルールとは
まず初めに返報性のルールそのものについて説明します。
返報性のルールとは、
「他人がこちらに何らかの恩恵を施したら、自分は似たような形でそのお返しをしなくてはならない」という普遍的なルールです。
このルールが存在するからこそ人間社会では取引というものが成立しました。
取引とは、まず自分の個人的な資源を人に与えることから始まります。
一見このような行為には心理的に抵抗が生じるはずです。
しかし、返報性のルールににより恩返しがあるとわかっている私たちは、自分の持つ資源に質の良い付加価値を加えて与えるようになりました。
こうして返報性のルールがあるために人間社会は発展・進歩してきたのです。
人間社会に大きな利益をもたらす返報性のルールは社会的なルールに落とし込まれ、守らなければならない環境が構築されていきました。
2:返報性のルールは悪用できる
返報性のルールでは「自分は似たような形でそのお返しをしなくてはならない」と書きましたが、うまく利用すると片方だけ利益を得られてしまう恐ろしい側面もあります。
これは「お返し」の選択肢に幅があるからです。
みなさんはどうでしょうか?
受けた恩と全く同じものを返していますか?
恩というのは必ずしも目で見えて、数値(お金など)で表されるものばかりでは無いと思います。
仕事をちょっと手伝ってもらったとか、駅まで送ってもらったとか、そういったものに対する「お返し」ははたして同等だったでしょうか?
友人関係や親子関係では返報性のルールの悪用は気にしなくて良いかもしれませんが、相手との関係性がセールスマンと顧客の場合は注意した方が良いかもしれません。
悲しい現実ですが、小さな恩恵を与えて大きなお返しを得ようと企む人も存在するのです。
3:返報性のルールは悪用しやすい
返報性のルールは悪用しやすいんです。
なぜ悪用しやすいのでしょうか?
その理由を3つ書いていきますね。
1つ目:返報性のルールは好感度という要因を凌駕する
みなさんは嫌いな人から何か貰うことに抵抗はありますか?
私はあります(笑)
でも嫌いじゃなければそこまで拒否しません。
返報性のルールが成立する時には与える側は受け取る側に好かれていなくても良いんです。
嫌われてさえいなければ与える側は最初の恩恵を拒否されずに返報性のルールに持ち込めます。
2つ目:最初に与える恩恵は相手が欲しいものでなくても良い
返報性のルールがあるので、たとえ欲しくないものを貰ったとしても、それを受け取った側はお返しをしなくてはならないという気持ちが生じてしまいます。
しかも、相手が厚意で与えてくれようとしているものを断るのは難しいんです。
別に喉が渇いていなくても差し入れとして飲み物を買って渡されたら、貰っちゃいませんか?
このため返報性のルールの上では最初に与える側が先手を取り、状況を選択して交渉を有利に進めることができてしまいます。
3つ目:ストレスから解放されたくなる
受け取った側は「お返し」をしなければ、という思いが生じます。
それが時間経過とともにストレスになっていきます。
恩恵を受けたまま「お返し」をしていない、早く「お返し」をしようというストレス
「お返し」をしていない自分が社会から「恩知らず」というレッテルを貼られるかもしれないというストレス
これらが合わさって次第に大きなストレスとなり、このストレスから早く解放されたいと思うようになります。
そのため最初に恩恵を受けた側は受け取ったもの以上の価値があるものであっても「お返し」としてしまう可能性は十分にあるんです。
社会の目って怖いですよねぇ。
私はビビりなので相手の機嫌を損ねたり評価が下がるのが怖くて怖くて、多少ムチャな要求にも応じてしまうことがよくあります。
この3つの要因が合わさり、返報性のルールは悪用しやすく利益率の良いものとなってしまうわけなんです。
返報性のルールを活用したビジネスモデルとしてはスーパーのウィンナーの試食、化粧品のサンプル配布などがありますね。
どちらも①好きでも嫌いでもない店員が②自らお客に声をかけ、必ずしも欲しいとはかぎらないものを少量与えて③「お返し」に商品を買ってもらう。
という構図ができあがっています。
補足しておきたいのですが、ウインナーの試食が悪だとか言っているわけではありませんよ(笑)
試食、大好きです(笑)
ちなみに先ほども言いましたが家族や親友など長期的な人間関係においては返報性のルールの悪用の心配は必要ありません。
こうした間柄では相手が必要な時に必要なものを提供しようという気持ちが存在しているので、どちらが多いとか少ないとかはない(というか気にしない)ことが多いのではないでしょうか。
4:返報性のルールと譲歩
ここまで返報性のルールの悪用について書いてきましたが、さらに追い打ちをかけるかのようなことを書いていきます。
返報性のルールと譲歩の掛合わせです。
大きな要求を拒否されたあとに小さな要求を提案すること、これが譲歩ですね。
これも返報性のルールを上手く活用した譲歩のやり方であり、相手の承諾を受けやすくできるんです。
なぜなら人は譲歩してもらったら、次は自分が譲歩しなければならないと思ってしまうからです。
本書ではこれをdoor in the face techniqueや「拒否したら譲歩」法と呼んでいます。
door in the face techniqueでは最初に大きな要求を拒否させてから小さな要求(本当に通したかった要求)を提案します。
こうすることで承諾率はグンッと跳ね上がるんです。
ただし、最初の要求は常識の範囲内でないと逆効果のため注意が必要なのですが。
このdoor in the face techniqueが上手くいくのには、返報性のルール以外にも2つの要因があります。
1つ目は知覚のコントラスト、2つ目は単純に構造的な側面です。
知覚のコントラストとは2番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう人間の知覚の傾向のことです。
これにより2つ目の要求(本当に通したかった)要求がそれ単体で客観的に見れば拒否されるような大きな内容であっても、1つ目の要求と比べることで小さな内容であると錯覚してしまうのです。
構造的な側面とは、もし最初の要求が通れば想定より大きな利益が得られるし、拒否されても普通より高い確率で想定した利益を得られるということです。
これによりdoor in the face techniqueは高い確率で本来の要求かそれ以上の要求を通すことが可能になります。
またdoor in the face techniqueを利用して交渉した場合に、相手は最終的な判断を下したという責任感と譲歩してもらったという満足感を感じます。なので、その後の関係を絶たれるようなこともありません。
5:返報性のルールから身を守る
悲しい現実ですが、返報性のルールを悪用しようとする人は確かに存在します。
怖い世の中です。
だけど身の守り方を心得ていれば大丈夫です。
私が知って欲しいのは、返報性のルールが怖いから他人の厚意を全部拒否しようって思わないように、ということです。
確かに最初の行為や譲歩を拒絶すれば、そもそも相手に付け込まれずに済みます。
しかし、世の中にはホントの親切心で関わってくる人も確かにいて、やみくもに拒絶してしまってはその親切心を無下にしてしまいます。このようなことを繰り返せば人間関係に支障をきたし、人生がつまらなく感じてしまうかもしれません。
絶対にお勧めはしません。
返報性のルールの悪用を回避する方法はちゃんとあります。
それは相手からの厚意や譲歩の根本的なところを判断して受け入れるということ。
そして相手が親切心でしてくれたと感じたことは後で自分がお返しをするつもりで、ありがたく頂戴すること。
返報性のルールは本来、厚意に厚意を返すというお互いを支え合うwin-winなルールのはずなんです。
これがとても重要なことだと私は思いました。
ただもし、相手が返報性のルールを悪用しようとしていることに気が付いた時はですね。
まずは状況を整理しましょう。
そして相手から与えられたもの、譲歩してもらったことは戦術・搾取であると認識する。
そうするだけで、「お返し」をしなければならないという責任感や義務感から解放されて適切な行動がとれるようになります。
6:まとめ
長々と呼んでくださり、ありがとうございました。
返報性のルール、どうでしたか?
このブログを書いている間はとても複雑な気持ちでした。
なんだか詐欺の方法を紹介しているみたいで。
でも最後の対処方法のところを書いているときは凄く気持ちがこもって逆にみんなに知ってほしい、気を付けて欲しいって思いました。
「影響力の武器」は内容が濃くて凄く理解するのも難しく、それをまた人に説明するとなると一段とハードルが高かったです。
私にはまだ早かったですかね(笑)
解釈など不足していることがあれば教えていただきたいです。
まだまだ読み途中なので、このあとも私がこの本から学んだことを皆さんに発信していきたいと思います。
それではまた次回、よろしくお願いします。
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